経尿道的水蒸気治療（Water Vapor Energy Therary：WAVE）

経尿道的水蒸気治療（WAVE）開始

当院泌尿器科において、前立腺肥大症にお悩みの患者さんに対しましてWAVE治療（経尿道的水蒸気治療）を開始しました。
福島県県北地区や宮城県県南地区では初めての導入となります。
前立腺肥大症とは尿道を取り囲むように存在する前立腺が加齢とともに肥大化することで尿道を圧迫し排尿困難や頻尿などの症状を呈する疾患です。中高年男性特有の疾患となっています。

WAVEの特徴

当院では従来、前立腺肥大症にて外科治療が必要となった患者さんに対し、経尿道的前立腺切除術（TURP）や経尿道的レーザー前立腺核出術（HoLEP）を施行してきました。これらの手術での治療成績は良好でしたが出血などの合併症が問題になることが稀にございました。
WAVE治療は手術ではありますが、低侵襲性であり前立腺を切除したり、くり抜いたりすることは行いません。

経尿道的に肥大した前立腺に103度の高温水蒸気を注入し肥大前立腺組織を約70度まで温度上昇させます。
それにより組織壊死が起こり、自然吸収によって肥大化した前立腺組織が退縮していくという原理です。

前立腺組織の退縮により尿道の圧迫が解除され、排尿障害が改善いたします。

手術後は数週間から1ヶ月ほどで効果がでてきます。出血するリスクが非常に低く、手術時間も10分ほどと短時間で施行することができます。