宗教上の理由による輸血拒否に対する当院の対応
公立藤田総合病院では、患者さんが、宗教上の理由などにより輸血拒否の意思を表明される場合、その意思を尊重して無輸血治療のための努力はいたしますが、治療に携わる医師が、輸血を行う以外に救命の方法がないと判断した場合、原則として輸血を実施いたします。ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。
基本方針
当院は次に定める方針の下で治療いたします。
- 宗教上の理由等で輸血を拒否する信念は、人格権を構成する信教の自由に基づく権利であることを理解し、尊重します
- 当院は、輸血を拒否される患者さんに対して無輸血治療のための努力はいたしますが、治療に携わる医師が、輸血を行う以外に救命の方法がないと判断した場合、輸血を行う、「相対的無輸血」の方針をとります
- 当院は、「いかなる状況でも輸血をしない」という患者・家族側の「絶対的無輸血」に同意いたしません
- 「エホバの証人」の方が提示する「免責証書」等、「絶対的無輸血治療」に同意する文書には署名いたしません
- 輸血が不可避と想定されるような例で、輸血を受ける同意がない場合は、当院での治療は困難です
- 緊急時や加害者の存在する事故による出血、意識のない場合などで輸血以外では救命の方法がないと医師が判断した場合は、患者・家族のみなさまの同意が得られずとも、医師の良心に基づき、輸血を含む可能な限りの治療を行います
以上の方針は、患者さんの意識の有無、成年・未成年の別にかかわらず適用します。
当院の方針を十分に説明し、理解を得るべく努力しますが、どうしても同意が得られず、治療に時間的余裕がある場合は、他医での治療をお勧めします。
相対的無輸血
患者さんの意思を尊重して可能な限り無輸血治療に努力するが、「輸血以外に救命手段がない」事態に至った時には輸血をするという立場・考え方
絶対的無輸血
患者さんの意思を尊重し、たとえいかなる事態になっても輸血をしないという立場・考え方