院長 近藤祐一郎
平成31年4月より院長を拝命しました。私は、福島市出身、福島高校~福島県立医科大学卒業、内科・消化器内科が専門です。ふるさと福島が大好きで、公立藤田総合病院に赴任して25年になります。
公立藤田総合病院は国見町、桑折町、伊達市の一市二町で運営されている病院です。当院は、国民健康保険診療施設(国保直診)の地域中核病院であり、患者さん中心の医療を行うことを理念に掲げています。病院一丸となって、地域医療を維持・発展させるよう全力で努力していく所存ですので、よろしくお願いします。
これからの医療は地域包括ケアシステムの構築と連携の推進が重要
地域の人口は約8万と漸減しており、高齢化率は35~40%であり、福島県の平均値31.0%を大きく超えています。皆さんは病院に入院する場合、急性期の病気(例えば急性心筋梗塞、脳出血等)を思い浮かべると思います。 しかし、高齢の患者さんは、複数の病気を持ちながら、急性期の病気を発症する場合が多いのです。完全には回復できないことも多く、日常生活をしながら療養・介護を受けて行くことになります。この仕組み全体をまとめて、地域包括ケアシステムと言います。 公立藤田総合病院は以前より地域包括ケアシステムの構築に取り組み、平成26年5月には、県内でいち早く地域包括ケア病棟を立上ています。当院では医療・介護の連携を強化し、比較的元気なときは自宅や介護施設で生活し、調子が悪くなったときには入院して治療するという流れがスムーズにできるように、地域の皆さんと地域包括医療・ケアの実践と充実に取り組んでいきたいと考えています。
高度診断機器の導入
MRIを2018年に更新しました。その他、CT、RI、骨密度測定、血管造影、内視鏡等、最新機器を導入しており、疾患の早期診断、救急医療に貢献しています。詳細は当院のホームページでご確認ください。
医療情報システムの充実
院内情報システムのIT化に取り組み、2007年から電子カルテ、画像ファイリングシステムが稼働しています。地域の診療所や施設とのインターネット連携を行っています。
救急医療への取り組み
伊達地域の輪番病院の中心として、年間約1,600件の救急車、時間外救急診察約6,000件受け入れています。放射線検査、臨床検査は24時間体制で対応しています。小児科では、地域の小児科医と協力し、年始年末、ゴールデンウィーク等の長期連休時に、診療を行っています。
がん検診・診療への取り組み
がんの早期発見、外来での抗がん剤治療、緩和ケア、各種がん専門医の確保。
福島県立医科大学との緊密な連携
専門医による定期的な外来をお願いしています。福島県立医大での高度治療が必要な患者さんは、すぐに紹介できる体制をとっています。
退院支援・在宅医療・訪問看護
医師と看護師がチームを組んで、退院後に自宅で安心して過ごせるようお手伝いをします。さらに、介護施設との緊密な連携を行っています。
健康管理センターによる健康診断、人間ドック
生活習慣病の予防、早期発見に取り組んでいます。
医療人材を育てる
当院は、専門医が多数在籍しており、多くの学会の専門医研修施設認定を獲得しており、初期臨床研修施設(基幹型)です。福島県立医科大学生・初期研修医の教育、医療系学校の実習生を積極的に受け入れています。 公立藤田総合病院を知っていただいて、将来当院での勤務を希望してくれることを期待しています。これからも医療人の育成に取り組んでいきますので、地域の皆様のご協力をお願いします。
病院機能評価の継続認定
2006年(平成18年)から、5年ごとに(財)日本医療機能評価機構の認定を更新しています。地域に根ざし、安全・安心・信頼と納得の得られる医療サービスを提供すべく、努力している病院として認められている証明です。
さらに当院では、地域の健康づくり教室、検診後の生活指導、学校保健、予防接種、認知症対策、糖尿病、骨粗鬆症の早期診断・治療、慢性腎疾患の予防・早期発見、等に取り組んでおります。
住民の皆様に信頼される病院として、全職員で頑張っていきます。福島県の医師、医療関連職の数は不足している状態が続いています。ご不便を感じている部分もあると思いますが、今後も地域医療の維持・充実に取り組んで参りますので、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。