大腸CT検査ってどんな検査?

大腸がんを調べるための検査方法として、便潜血検査や大腸内視鏡検査があります。
そこに近年新しい検査方法として「大腸CT検査(CTコロノグラフィ)」が登場しました。

便潜血検査

便に潜む血液の有無を調べる検査です。大腸がんやポリープがあると、便が腸内を移動する際に便と組織が擦れて血液が付着します。
便潜血検査は、便に血が混じっているかどうかを調べます。(目に見えないわずかな出血も検知することが可能です。)

大腸内視鏡検査

便潜血検査は有効な検査ですが、出血しないポリープや早期がんもあるため万能ではありません。
内視鏡は小さい腺腫や早期がんの段階で見つけることが可能なので、早期発見に適した検査方法です。

大腸CT検査(CTコロノグラフィ)

大腸CT検査は、大腸に炭酸ガスを注入し腸管を膨らませた状態でCT撮影を行い、3次元画像を作成し大腸の病気を診断します。
大腸CT検査では、特別な解析装置を用いポリープなどの病変を描出します。

こんな人におすすめ!

  • 内視鏡検査に抵抗のある方
    大腸CT検査は、大腸内視鏡検査と比べ、痛みを感じることが少ないとされています。
  • ご高齢の方
    CT撮影時の体位変換や苦痛が少なく、楽に検査が受けられます。

大腸CT検査の流れ

前処置(検査前日)

他の大腸検査と同様に前処置を行う必要があります。
検査前日より検査食や下剤などを服用いただき、腸内をきれいにします。

検査食と下剤
炭酸ガスによる大腸の拡張

炭酸ガスを専用機器で肛門から注入して大腸を拡張させます。

炭酸額注入器
CT撮影

基本的にはうつ伏せと仰向け2体位撮影します。
時間は20分くらいで終了します。

CT撮影
検査後

大腸CT検査後、撮影したCT画像を活用して大腸の3D画像や仮想内視鏡画像など様々な画像を作成して診断します。

位置決め画像 大腸3D画像 仮想内視鏡画像
位置決め画像 大腸3D画像 仮想内視鏡画像

大腸検査方法別長所・短所一覧表

  便潜血検査 大腸内視鏡検査 大腸CT検査
長所

便の採取だけなので、身体に負担がかからない

検査の費用が比較的に安価で行える

大腸の粘膜を直接観察できるので、小さな病変も観察できる

検査をしながら、ポリープなどの切除や病変組織の採取もできる

注入するのは炭酸ガスのため、痛みがほぼない

合併症がほとんどない

大腸狭窄などで、物理的に内視鏡検査が困難な方にも実施できる

大腸の形状が立体的にわかる

検査時間が短い

短所 大腸がんに罹患していても、必ず陽性とならないケースもある

肛門から内視鏡を挿入する行為に、精神的な負担を感じる

内視鏡の挿入による痛みを感じる場合がある

大腸狭窄でファイバーが入らない場合は、検査ができない

ポリープなどの病変切除や組織の採取ができない

平坦な病変の検出が難しい場合がある

病変の色や硬さの情報は得られない