Vol.7
麻酔科での2カ月

COLUMN

 

Vol.7 麻酔科での2カ月


公立藤田総合病院研修医1年目の吉川結偉です。今回のコラムでは910月の2ヶ月間お世話になった麻酔科研修について記していきたいと思います。

 

麻酔科研修の1日は手術室での朝カンファから始まります。看護師さんが中心となり、MEさんや研修医も参加し、その日に行われる手術について術式の確認や麻酔・手術における問題点などについて全員で共有します。また前日の手術のヒヤリハットも確認し、今後気を付けていくべきことやより良くするためにはどうしていくのが良いかについて話し合います。

 

朝のカンファレンスが終わると、術前診察を行っている麻酔科外来に行きます。術前診察とは全身麻酔をする上で、麻酔上の問題点がないかを事前に調べることです。問診・身体診察をし、血液検査や画像検査もします。また全身麻酔による手術についての説明や問題点などについても患者さんに分かりやすく伝えます。基本は指導医の先生の外来を見学して学ぶことが多いですが、指導医の先生の元で実際に術前診察をさせて頂いたこともありました。

 

術前診察の外来が終わると、いよいよ手術が始まる時間になります。手術室に向かい、全身麻酔の導入の準備をします。挿管チューブや喉頭鏡の用意をし、すぐに挿管できるようにしておきます。患者さんが入室したらモニターをつけ、点滴ルートの確保も行います。看護師さんのご指導の元、ルート確保も経験させて頂きました。ルート確保後は全身麻酔をかけていきます。使用する薬剤や量、マスク換気、挿管、人工呼吸器の設定については指導医の先生からご指導を頂きました。初めの頃はマスク換気や挿管は見学することが多かったですが、指導医の先生の元、安全が確保された状況では実際に換気や挿管をする機会がありました。

 

手術中は患者さんの様子を見たり、モニターを見たりしながら、全身麻酔がしっかりと効いているか効きすぎていないかを確認し、薬剤の調整を行います。自分なりに考えて指導医の先生に状況をプレゼンすることもありました。手術が終わったら患者さんを麻酔から覚まして、患者さんの状態に合わせて薬剤を調整し、帰室となります。

 

全ての手術が終わると次の日の麻酔のオーダーを自分なりに考えて指導医の先生に提出します。その時に過去の同じ術式の麻酔チャートをみてどのような薬剤を使用しているかを参考にします。またその人の体格に合わせた麻酔の量も自分なりに考えます。

 

麻酔に関することで分からないことは指導医の先生が優しく教えてくださいます。質問しやすい環境であり、疑問をすぐに解決できるのでとても勉強になりました。マスク換気や挿管は経験が必要であり、指導医の先生と比べるとまだまだ至らないと感じることが多かったですが、2ヶ月で大分成長できたと思います。またルート確保や採血などは看護師さんから学びました。経験できる手技も多く、今後どの科に進んでも必要な知識と手技を学ぶことができ、有意義な研修となりました。

 

最後になりましたが、ご指導いただいております先生方、看護師さんをはじめとするコメディカルスタッフの方々にこの場をお借りして感謝申し上げます。医療人として成長し、より良い医療を提供できるように日々努力して参りますので今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。

前の記事

Vol.6
麻酔科での研修生活

次の記事

Vol.5 1年次 三原圭太